■地固め療法1回目(コーディネータ)

まるで菩薩様だ。

病室で妻が見舞いにきている時、骨髄移植のコーディネータさんがやってきた。コーディネータさんは移植に関して、バンクドナーさんとの調整を支援してくれる。今回会うのは初めて、年配の女性のかただった。

コーディネータさんがバンクドナーさんの状況について説明をしてくれた。
状況は『バンクドナーさんでHLAが一致した5人に声をかけております。』『そのうち2名のかたは、健康診断を受けてくれております。』『また、そのうちの1人は健康診断の結果がOKでした。』『健康診断がOKだと、あとはバンクドナーさんが最終合意をしていただければドナーさんが確定します。』
『バンクドナーさんには、たくさんの資料が届くんですが、すぐに健康診断を受けていただいたようです。』『こんなに早く対応してくれるドナーさんはなかなかいないですよ。』

兄弟二人のHLAが一致しなかった時はとても落ち込んだ。ただバンクドナーで5名もHLAが一致したのがとても驚いたが、それに加えバンクドナーさんが直ぐに健康診断を受けてくれている事にとてもびっくりした。ネットを見て私の感覚では、バンクドナーさんはだいたい早くても半年ぐらいで決まるか、健康診断にひっかかるかバンクドナーさんが断って決まらないか。ぐらいに思っていた。それなのに、もう健康診断をうけていただいているのは奇跡に近い。そうとう早く対応してくれていると思う。バンクドナーさんを探し始めたのは6月はじめなので、約1ヶ月半ぐらいで資料を見て健康診断までうけてくれている。資料にはきっと骨髄液移植に伴う全身麻酔手術や末梢血幹細胞についてのリスクや大変な事がかかれているはずなのに、それにもかかわらずすぐに提供に向けた健康診断をうけてくれている。
妻と二人で話を聞いて、涙が出てきた。この世の中にそんな神様みたいな人がいるのか・・と。

また、コーディネータさんは骨髄バンクとの資料のやり取り方法を丁寧に説明してくれた。私の仕事の事、子供の事まで親身に心配してアドバイスをしてくれた。

そして「夏休みにここの病院で子供の病院見学会があるからよかったら参加してみたら。」とのこと。これも何かの機会だと思い参加することにした。

コーディネータさんは、優しい顔をしていて、こちらの立場に立って親身に話をしてくださる。骨髄バンクのコーディネータさんという特殊な仕事をしているためだろうか。とても慈悲深い。菩薩様のような人だと感じた。