■移植前検査(精神科)

ここの病院では移植を行う人全員が事前に精神科医に診てもらうとのこと。という事で今回は精神科で検査を受ける。

看護師の「精神科の先生はやさしいですから。なんでも言いたい事いっていいですよー。」という言葉を胸に精神科に向かう。

名前が呼ばれて、診察室に入る。先生はすらっとした紳士的なかたで物腰が柔らかい人だった。まずは病気になった経緯から始まり、今の状況を説明していく。先生は『うん、うん。』と話を聞いてくれる。そのうち、なんでも言いたい事いっていいよー。という言葉が頭をよぎり。愚痴の話をはじめる。やれ病院飯はまずい。やら入院期間が長くてうんざりする。やらメンタルブレイクを起こした話などを先生にした。先生はその話にも『うん、うん。』と話の聞き役に徹している。ひととおり話し終えた後先生が静かに口をひらいた。

先生『そうですね。なにか目標とか進捗状況がわかる作業があるといいですね。今日はここまでできた。とかそういうのがわかる作業があると入院時の辛い気持ちがまぎれますし。達成感もえられますよ。』

先生『あとは、お話を聞いて、すこし気持ちが前向きでない部分が感じられますので、少し気分が高揚する薬を処方したいと思いますがどうでしょう。』

あんまり飲み薬増やしたくないんだけどなーと内心思ったが、これから控えている骨髄移植(造血幹細胞移植)という私にとって未知の治療をするにあたり、精神薬も無いよりあった方がいいかなー、先生が言ってるんだからと、薬の処方を承諾した。
ということで「ドグマチール」という薬が処方されることになってしまった。