■寛解導入療法(治療方針説明)

インフォームドコンセントとは、医療従事者が、病状や医療行為の名称・内容・期待する効果に加え、代替治療、副作用、費用、予後も含め正確な情報で『説明』を行う。患者・家族はその説明を十分『理解』した上で、治療内容の『同意』を行う。この一連のプロセスのことをいう。なお、患者・家族は治療内容を納得するまで質問し「拒否」することも可能である。

2017年5月4日(みどりの日)のGW中であったが、今後の治療方針説明が行われた。場所は病院のカンファレンスルーム。私と妻で緊張しながら部屋に入り血液内科の主治医から説明をうけた。

<治療方針説明内容>
■病名・病状について

 病名:急性リンパ芽球性白血病(ALL)
  BCR/ABL 陽性細胞フィラデルフィア染色体陽性

フィラデルフィア染色体陽性であったため治療には抗がん剤治療と骨髄移植を行う必要がある。とのこと。そのため今後は、骨髄移植および新薬も視野に入れ治療方法を検討する必要がある。とのこと。
なお骨髄移植は、治療開始から3ヶ月後~6ヶ月後を目安に実施予定となる。とのこと。ただし移植に関しては当院では対応できないため転院する必要がある。

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フィラデルフィア染色体とは、白血病細胞を増やす原因の1つとなる特殊な染色体(9番染色体と22番染色体が途中で切れて、それぞれの切断部分がくっついてできる異常な染色体)がある状態のことをいう。ALLの4人に1人の割合で発症する。この染色体があると異常なタンパク(Bcr-Abl)を作りだし白血病の治療を難しくするとともに、治療後の再発率が上がることが確認されている(予後不良因子)。なお、なぜ染色体異常が発生するかは不明である。
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以前、主治医から聞いた、白血病での完全寛解率が高くなる条件は、以下になる。
①疾患者が30代と若い事。
②初診時白血球の数値が3万以下である事。
③フィラデルフィア染色体が陰性である事。

結果①②はあてはまったが、③は陽性であり当てはまらなかった。ただ、骨髄移植をすることで完治できる可能性があるとのこと。この時点で骨髄移植は必須となった。
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■治療期間(予定)
2017年5月4日~5月31日(約1ヶ月の入院)

■治療内容
寛解導入療法(抗がん剤治療)

使用する主な薬・抗がん剤
◆経口薬(飲み薬)
1.グリベック(チロシンキナーゼ阻害薬)
期間   :6週間
量/日  :6錠(600mg)
主な副作用:むくみ、肝障害、発疹、血栓症

2.プレドニン(ステロイド薬)
期間   :4週間
量/日  :10錠(50mg)
主な副作用:血糖値上昇

◆点滴薬
1.オンコビン  [ビンクリスチン]

投与日    :4日間 ※1週間毎
投与時間/1回:5分~10分
主な副作用  :抹消神経しびれ

2.ダウノマイシン
投与日    :3日間 ※連続
投与時間/1回:1時間
主な副作用  :脱毛、吐気

3.エンドキサン [シクロホスファミド]

投与日    :1日間
投与時間/1回:15分~30分
主な副作用  :膀胱炎

■その他
・5月中旬以降は輸血を行う。
・無菌室での治療となる。
・免疫が下がるため外出時は必ずマスクをする事。
・敗血症(感染症)にならないように十分注意が必要。
・治療時の体調に伴い、治療内容は変更する可能性はある。

以上が治療方針となる。

治療方針説明をうけ、何点か質問を行った。ただ、この治療が本当に正しい治療なのか?薬があっているのか?等 素人の私には判断するのは難しい。でも私は、主治医が説明したこの治療方針に『同意』することにした。それは、私はこの主治医を信頼することにしたからだ。

主治医は説明もゆっくりで、ものごしが柔らかく、患者目線で対応してくれる。またこちらの質問をじっくり聞いてくれ適格に回答してくれる。そして質問をしやすい雰囲気を作ってくれるのだ。そのため、『この主治医に私の体をお願いしよう。』と思えたからだ。

ただ、ついに、恐怖の抗がん剤治療がはじまる。(ガクブル、ガクブル)頑張ろう。