■寛解導入療法(無菌室)

白血病患者であれば誰もが入るであろう無菌室。私も約1ヶ月弱無菌室で過ごした。

この病院の無菌室は個室になっている。広さは4畳ぐらいだろうか。部屋は普通の個室の設備に加え、ドアの入口には透明のビニールカーテンが付いている。また、天井の高さまである大きな空気清浄器が窓側に備え付けられている。空気清浄器は24時間綺麗な空気を送り出しており、常にブーーンという音が鳴っている。空気清浄器は、窓を半分以上隠してしまっており外の景色が見えなくなってしまっている。そのため、この部屋はいっそうの「隔離感・閉塞感・孤立感」をかもしだしている。

ベッドは空気マットになっている。機械で定期的にマットに空気を入れたり・抜いたりする。とても寝心地が悪い。はじめ、布団の雑菌を抑えるために空気マットにしているのかと思っていた。ただ看護師さんに確認してみると、そうではなかった。空気マットは寝たきり患者が床ずれを起こさないためのものらしい。この部屋に入るのは、重篤患者が多いのでこのマットを用意していたんじゃないか。とのことだった。その後普通のマットに交換してもらった。普通のマットの方が圧倒的に寝心地がいい。

ドラゴンボールで「精神と時の部屋」という修行部屋がある。そこは外の世界から隔離された何もない空間で、外の世界より時間の進みが圧倒的に遅いという場所。強いて言うならそんな場所だろうか。ここで過ごす時間はとても長く感じる。

治療期間は、この部屋でずーーと過ごした。この長い期間で様々な事を考えた。病気の事、今までの事、これからの事、今の厳しい現実、自分と向き合ってみる。少しは精神を鍛えられただろうか・・

無菌室。私にとっての修行部屋かもしれない。部屋を出る時は精神的に強くなっていることを願いたい。