■寛解導入療法(研修医)

私が入院した病院は、大学病院であったため研修医がいる。なお、私には女性の若い研修医がついた。毎日午前中に病室にきて『具合どうですかー?』と問診にやってくる。私は問診に答えながら、病気の内容について色々質問してみる。

「この抗がん剤の副作用はどのようなものがあるの?」

「この胃のムカムカはなぜ起こるの?」

「・・」等。

時に主治医に聞いたことも、あえて研修医に質問してみる。

※社会人の新人に上司から、あえて理解しているか試すために質問をするように・・(私もオヤジなのかなーと思ってしまう・・)

点滴の針を刺すのも研修医がする。ある時、点滴の針が上手く刺さらなかった。その時研修医が『あっ、ちょっと待ってください・・』といって針をそのままにして病室を出て行ってしまった。私は針が苦手なので・・「うーん」と途方にくれていたら、看護師が病室に入ってきて、針を抜いて処置してくれた・・ その後、研修医が別の医師2年目の男性研修医を連れてきて点滴の針を上手く刺してくれたが、針を刺されたまま放置されてしまったのである。針嫌いの私には結構トラウマで・・
それ以降私は、点滴の針を刺すときは2年目の男性研修医を指名する事にしたのはいうまでもない。

研修医に『私じゃダメですか・・』と言われたが、私は「ごめん・・」と、まるで若いおねーちゃんの告白を断るかのように、お断りした。※針が大丈夫な患者で練習してきてください・・

土・日も研修医が病室に問診に来るので聞いてみた。「休みとれてるの?」研修医は『いえ、今日で14日連続です。』とのこと。私は「疲れたときは休みなー。無理して働くと体こわすよ。」と声をかけるが、『大丈夫です。』と研修医は言う。マダマダ目が輝いているので大丈夫だろう。

研修医はいろいろな現場を経験するのだろう。ある日『短い間でしたけど、今日で担当が終わりになります。』と挨拶に来た。私は、「今までありがとう。医者は大変な仕事だけど、本当にすごい仕事だと思うし。これから頑張ってね。」と声をかけた。すると研修医は『カルテは見れるので、今後の病状を気にしておきます。』と回答がかえってきた。※さすが医者の卵だ。今考えると肝が据わった子だった。

これからの医療を引っ張っていく金の卵、立派な医師になってたくさんの患者を助けていってほしいと思う。