■地固め療法1回目(バンクドナー)

神様が現れた。

病室は4人部屋でカーテン1枚で仕切られている。そのためプライバシーがほぼなく。大きな声でしゃべると丸聞こえとなる。

私の後ろのベッドに新しい患者さんが入ってきた。見た感じとても健康そうに見える人だ。看護師が来てなにやら話をしている。

看 「なんで骨髄バンクに登録しようと思ったんですか。」
患 『採血に行ったんです。そしたら骨髄バンクドナーの申し込みがあり。登録したんです。』

カーテン越しに聞こえてくる。あーーっ、ドナーさんが骨髄提供のために入院してるんだ。凄い。私からすれば神様的存在だ。しかも私の隣のベッドに。これも何かの縁?

入院の次の日、午前中にドナーさんが手術室に運ばれていく。午後前には戻ってきて全身麻酔が行われたのだろう。酸素マスク・足にマッサージ器がついてその日はベッドから動けず安静にしていた、その次の日は廊下でストレッチしたり普通に歩いて普通に戻っていた。

ロビーで座って本を読んでいたので話しかけてみた。
私   「骨髄を提供されたんですか?」
ドナー様『そうですねー。』
ドナー様『5年ぐらい前にドナー登録したんです。ドナーになっても75%の人は一度も声がかからないと聞いていたんです。でも、今回声がかかるのは3回目なんですよ。』
ドナー様『私はマラソンをやっていて。毎回、健康診断でヘモグロビンが足りないって引っかかってしまうんです。』
ドナー様『今回は健康診断はギリギリ通ったんです。』

ドナー様『今回、関西の小さいお子さんだと聞いていて、どうしてもって感じがしたので、マラソンを控えてヘモグロビンが上がるようにしたんです。』

ドナー様『骨髄液は手術後すぐ大阪の病院に医師が持って行くんです。そのため先方の医師がこの病院に来てるんです。そして移植結果を連絡してくれるんです。』
ドナー様『今回こっちも大変な思いしたので患者さんもきちんと着床して元気になってほしいですね。』

入院して、3日後には元気に退院していった。なおその方は会社では骨髄提供用に休みが取れる制度があるらしい。「人助けだからぜひ休んでください。」という雰囲気が職場にあるのだ。
社会的にもっとこのような制度が普及していってほしいと本当に思った。

話をしてみて。さすが考え方がやっぱり神様だ。・・世の中素晴らしい、世も捨てたもんじゃない。人と人が助け合って生きていく精神。とても素晴らしい。