■移植前検査(研究協力)

移植が決まると、大学病院のためか、いくつか研究協力の依頼があった。私は未来の医療のためと思い、お願いされた物は全て同意した。

研究協力の医療行為に関しては医療費がかからないとのこと。また途中でやめることも可能だそうだ。

研究協力したものは、

まずは、予防目的のトラニスト投与。トラニストとは、アトピーやアレルギーに使用する薬。この薬を移植後から急性GVHDの期間(約3ヶ月)服用するというもの。トラニストという薬が急性GVHDを抑えてくれる作用があるか、検体データをとりたいというものらしい。もし、抑えられたらラッキーである。

次は、大腸カプセル内視鏡によるサーベイランス。急性GVHDには全消化管のどれかに病変を発生させる可能性がある。消化管のGVHDは発見しづらく発見が遅れると対応にも時間がかかってしまう。この研究は移植後、大腸カプセル内視鏡を服用することで事前に全消化管に異常がないか調べることで、早期にGVHDを発見し対応ができるというもの。もし、すぐ発見できたらラッキーである。

後は、造血細胞移植医療の全国調査。これは移植治療の症例データを、日本造血細胞移植学会、日本造血細胞移植データセンターに提供するというもの。このデータに基づいて生存率等を出しているようだ。また血液検体も提供する。私の治療がうまくいけば生存率も上がるはずだ。何としても5年は・・いや、それ以上生きて、急性白血病(Ph+ALL)の5年生存率を引き上げようと思う。

医療はこのような地道な研究で日々進歩しているのだろう。研究協力をすることで、今後の医療のさらなる進展に向けての一助になれればと思う。