■移植前検査(一時帰宅)

医師が「移植治療にはいると当分家には帰れません。次の週末が移植治療にはいる前の家に帰れる最後の土日ですけどどうしますか。」と尋ねられた。私は二つ返事で、一時帰宅することにした。

一時帰宅は、原則1泊2日。一時退院の場合は荷物も引き上げなければならないが、一時帰宅の場合は、病院の荷物はそのまま置いておいてもよい。帰宅の当日、朝食をさっさと済ませ、服を外出用に着替え、必要な荷物をポーチにまとめ10時には病院を出た。妻が朝から迎えに来てくれている。まだ8月下旬。生のセミの声が耳に心地よく聞こえる。また直接の日差しが肌にささる感じが、外にでれたんだなーと実感させられる。自宅までは電車で帰るのだが、電車の中はクーラーがきいていて少し肌寒いぐらいだ。夏休みだからだろう、電車はこれからお出かけする家族連れが多く、その光景に少しうらやましさを感じながら電車に揺られて自宅についた。

その日の夕方は近くのショッピングモールの夏祭りがあり。家族で出かける。この夏まつりはここ数年毎年家族で行っている祭りだ。この日はあいにくの雨。盆踊りがなくなって、屋台も少しがらんとしていて残念だったけど、屋台でご飯を買って屋根のついているところでご飯を食べて夏祭り気分を堪能した。今回のみ違うところは、いつもは近くなので徒歩か自転車で行ってビールを飲んで帰るのだが、今回は車で行ってアルコールは控えた。また屋台で食べ物を買うのだが、味覚障害が残っているので食べ物選びは少し慎重になった。あとは雨でカツラが大丈夫かなーと心配が絶えなかったところだろうか。。
ただ、子供たちはいつもとかわらず、くじ引きで当たったおもちゃを片手に、小学校や幼稚園の友達に会うたびになにやら楽しそうに遊んでいた。子供たちは無邪気で、たまに喧嘩もするが常に楽しそうでなによりだ。
つかの間の夏を堪能できる一時帰宅だった。

次に家に帰宅できるのは、秋か冬か・・次に家に帰る時が本当の退院でありたい。