■外来受診(会報誌への寄稿)

以前患者会に参加したとき、私に声をかけてくれた人がいた。私が初めて患者会に参加し、そして皆さんの前で挨拶をしたためもあったのだろう。

「私も同じ白血病でした。今は病院で発行している患者会の定期冊子である会報誌の編集をする仕事をしているんです。今度よければその会報誌に『患者の声』としてぜひ寄稿していただきたいと思うのですが。」

と名刺を渡された。

その時は、えっ、こんな私にそんなことができるかなーと不安に思ったが。その時は

「あー私なんかでよければ・・」

と曖昧な返事をして名刺を受けとったのだ。

なお、この患者会の会報誌は、血液内科の病棟の休憩室の雑誌棚の良く見える位置に過去の分から最新分までの全ての会報誌が置かれていた。入院中、私が体調の良い日には休憩室にいってはこの会報誌を良く読んでいた。特に『患者の声』には病気になったショックの事や入院中の事やその時の心境などが書かれていて、とても共感を覚えるものばかりであった。私は過去分含め全て読みつくしたと思う。

それから、だいぶたった時、患者会に登録していたEメールアドレスにメールが届いた。内容は患者会の会報誌への寄稿のお願いだった。
内容としては、以下の4つのテーマから1つ選んで寄稿してほしいとのこと。
 1.移植を経た今のご様子
 2.患者会に参加しての感想、など
 3.患者会へ寄せる期待、など
 4.治療・移植体験記
そして文字数は500文字~650文字という事である。

私は悩んだ挙句、4.の『治療・移植体験記』を寄稿する事にした。私は病院でこの会報誌を読んで共感や励ましを沢山もらったので、今度は私の経験を書くことで、長い期間入院している患者さん達に、なにか励みになるような事が書ければと思ったのだ。
それから数日間悩みながら文章を考え、妻にも読んでもらいながら書き上げた。内容は自分の闘病体験と色んな人への感謝の気持ちが主ではあったが、今入院し治療している方に届くような文面も意識しながら書き上げた。そしてできた寄稿文を送付し、校閲や修正等うけながら数回やりとりし何とか文章にOKが出た。

数日して、会報誌の電子版がEメールで届いた。中を見てみると、私のちっぽけな文も綺麗に装飾し見栄えが良くなっており、文章の下には患者会で撮った私と息子の写真まで載せてくれていた。
私は血液内科の病棟には行けないので実際に発行された会報誌は見ていないが、入院されている患者さんがこの会報誌を読んでくれて少しでも闘病の励みになってくれていればいいなと思う。